呪術と世界観 〔呪術・社会・地域〕
呪術はその社会の世界観と密接に関係している。
たとえばインドネシアのバリ島には、他のインドネシア諸地域におけるように、右を優越したものとして尊び、左を不浄視する思想があるが、ここでは、呪術を「右の呪術」と「左の呪術」とに分け、「右の呪術」が病気の治療などを図る呪術のように、よい目的のための「白い呪術」であるのに対し、「左の呪術」は人を呪い殺すための悪い呪術、邪術、「黒い呪術」である。
バリ島では、邪術によってかけられた病気を治す方法の一つとして、ヤシの木の北東側になっている若い実をとり、チュクリという陸貝の一種と、海のルンシルと称する貝を油で揚げ、その油をヤシの実の中に入れて混ぜたものを患者に飲ませるという。
なぜ北東側になっているヤシの実を使うかというと、バリ南部では北東側がよい方角と考えられているからである。
バリでは、「山の方」と「海の方」という象徴的二元論が際だっており、「山の方」が神聖な方角であり、「海の方」が不浄な方角とされている。
バリ島中部が山岳地帯になっているため、バリ南部では「山の方」がほぼ北方にあたり、北部では「山の方」が南方にあたる。
これとともに、東方を神聖視するので、バリ南部では北東がもっともよい方角となる。
北東側になったヤシの実が治療薬として尊重されるのは、このようなバリの方位観に由来している。
メキシコ南部のマヤ語族に属するツォツィルTzotzil語を話すインディオは、病気を治療するための呪術・宗教的な儀礼を行っている。
これを行うのは呪医で、病気治療のための儀礼は一般に東に向かって行う。
儀礼のなかで首をひねって殺した鶏が、頭を東に向けて倒れると病気は全快するといわれる。
また儀礼のなかで患者の周りに立てた何本ものろうそくが燃え尽きたとき、芯(しん)が東の方に倒れるのは病気の回復を意味するという。
これは、彼らが東を「日が昇る所」として尊重し、西を「日の沈む所」として悪い方位としているところからきていると思われる。
たとえばインドネシアのバリ島には、他のインドネシア諸地域におけるように、右を優越したものとして尊び、左を不浄視する思想があるが、ここでは、呪術を「右の呪術」と「左の呪術」とに分け、「右の呪術」が病気の治療などを図る呪術のように、よい目的のための「白い呪術」であるのに対し、「左の呪術」は人を呪い殺すための悪い呪術、邪術、「黒い呪術」である。
バリ島では、邪術によってかけられた病気を治す方法の一つとして、ヤシの木の北東側になっている若い実をとり、チュクリという陸貝の一種と、海のルンシルと称する貝を油で揚げ、その油をヤシの実の中に入れて混ぜたものを患者に飲ませるという。
なぜ北東側になっているヤシの実を使うかというと、バリ南部では北東側がよい方角と考えられているからである。
バリでは、「山の方」と「海の方」という象徴的二元論が際だっており、「山の方」が神聖な方角であり、「海の方」が不浄な方角とされている。
バリ島中部が山岳地帯になっているため、バリ南部では「山の方」がほぼ北方にあたり、北部では「山の方」が南方にあたる。
これとともに、東方を神聖視するので、バリ南部では北東がもっともよい方角となる。
北東側になったヤシの実が治療薬として尊重されるのは、このようなバリの方位観に由来している。
メキシコ南部のマヤ語族に属するツォツィルTzotzil語を話すインディオは、病気を治療するための呪術・宗教的な儀礼を行っている。
これを行うのは呪医で、病気治療のための儀礼は一般に東に向かって行う。
儀礼のなかで首をひねって殺した鶏が、頭を東に向けて倒れると病気は全快するといわれる。
また儀礼のなかで患者の周りに立てた何本ものろうそくが燃え尽きたとき、芯(しん)が東の方に倒れるのは病気の回復を意味するという。
これは、彼らが東を「日が昇る所」として尊重し、西を「日の沈む所」として悪い方位としているところからきていると思われる。
update:2010年02月23日
